出産方法は大きく2つに分類されます。自然分娩と医療介入型の分娩です。
自然分娩は、「アクティブバース」と呼ばれる産婦と赤ちゃんを主体にした、自由なお産のことです。「水中出産」、「ラマーズ法」、「ソフロロジー式分娩」、「気功式出産(リーブ式)」、「自宅出産」などがあります。
医療介入型の分娩は、「帝王切開」、「吸引、鉗子分娩」、「無痛(麻酔)分娩」、「誘発分娩」などがあります。
それぞれ説明をしていきましょう。
■自然分娩
□ アクティブバース
これまで医療主体とされた出産を、母子を主体にした自然分娩を推すムーブメントです。医療介入を極力しない自然な分娩方法で、出産場所も産院、助産院、自宅など妊婦がもっともリラックスする場所を選びます。出産スタイルもしゃがんだり、立ったり、歩いたりなど、産婦の好きな姿勢で陣痛期を過ごし、出産時は仰向けではなく布団などの上で横向きや立て膝、あるいは分娩台を使わずに出産します。生まれた赤ちゃんはすぐに母親の胸に抱かれる(カンガルーケア)が一般的です。アクティブバースの大きな特徴は、出産を性的なこと、本能的なことと捕えていることです。産科医主導では、お産は医療として捉えられ母子はまるで“手術”をするように扱われてきましたが、女性の持つ出産本能をじゅうぶんに引き出すよう、ヨガや呼吸法などさまざまなアプローチがなされています。近年では、産院でもアクティブバースを受け入れるところが増えており、母子主体の自然分娩と産科医療の共存が課題となっています。
□ 水中出産
温水を利用した出産法です。水の浮力を利用して姿勢が楽に変えられるため、重力の影響が少なく、産婦にとって楽な姿勢が取れます。温水に入ることで血液の循環が良くなり、筋肉の緊張が和らぐので陣痛が軽くなり、産道の筋肉もやわらかくなるなど、母体の負担が少なくやさしい出産方法です。ただ、骨盤が狭い、卵巣に病気があるなどの母体のリスク、逆子や多胎児などの胎児の状態によっては行えない場合があります。家庭のお風呂では、緊急時の医療行為がすぐにできない、水質の管理が難しいなど行いにくい面があります。赤ちゃんは羊水の中にいる感覚ですぐに呼吸を始めず、水中からもすぐに取りあげられるのでおぼれる心配はまずありません。
□ ラマーズ法
フランス人のラマーズが編み出した出産方法で「ヒッヒッフー」という呼吸法が元祖。お産に対する正しい知識、自分の力で産むという前向きな意志、呼吸法による痛みの軽減、夫や家族の立ち会いによるリラックス効果を取り入れてお産にとり組むやり方です。現在は日本式ラマーズ法が定着し、呼吸法も簡略化され、リラックスに重点がおかれています。呼吸はゆっくりとした胸式で、いきんでいるときは胎児への酸素供給量が減るため、無理に腹圧をかけない呼吸法に現在は変わっています。
□ ソフロロジー式分娩
ソフロというのはラテン語で“心を落ち着かせる研究”という意味です。いかにしてリラックスするかという学問を出産に応用したもので、ヨガや瞑想の技法を取り入れ、出産時のイメージ・トレーニングをして、呼吸法とともに筋肉のリラクゼーションを行い、精神と肉体の両方の訓練を繰り返すことによって、出産時に起こるあらゆることを前向きに受け入れる心の準備をします。これまでのさまざまな自然分娩法は陣痛をいかにやわらげるかという和痛効果を求めましたが、ソフロロジーは陣痛を赤ちゃんが出てこようとする大切なエネルギーとして受け入れ、積極的な喜びとして捉えようとするところがこれまでの自然分娩法との大きな違いです。お産が始まってからは座禅のスタイルでゆっくり腹式呼吸をするなど、リラックスしながら瞑想状態の意識で臨みます。スペインの精神科医が考え、フランスで最初に取り入れらました。
□ 気功式出産(リーブ式)
中国気功法のトレーニングを生かした出産法で、妊娠中から気功法で呼吸法、リラックス法、イメージトレーニングなどを練習します。「Relax (リラックス)」、「Imaging (イメージング:イメージで苦痛を和らげることを想像する)」、「Exercise (エクササイズ)」、「Breath (ブレス:呼吸)」の頭文字をとって「RIEB (リーブ)」。出産中は、赤ちゃんが自然に下がるようにイメージするなど、お産が順調にすすむように気を送ります。呼吸法は、息を吸ったときにおなかをへこませ、吐くときにおなかをふくらませる逆腹式呼吸法。陣痛を嫌な痛みとせず、女性の役割、生産的な自然なものとして受けいれるのはリフロロジーと同じです。リラックスすることで母体の力を発揮させます。
□ 自宅出産
自宅に助産婦を呼んで出産する方法で、戦後にアメリカ式産科医療が導入されてほとんど行われなくなっていましたが、近年、自宅出産を介助する助産婦も出てきたこともあって増え始めています。出産を“医療”としてとらえず、家族の中での日常生活の延長として考えて自由にふるまうことができるのが特徴です。また、子供に兄弟姉妹がいる場合は、命の尊さを教えるいい機会にもなります。産科医学的には、戦後に出産が家庭から病院に移行したことで周産期(妊娠満22週から生後満7日未満までの期間、合併症妊娠や分娩時の新生児仮死など、母体・胎児や新生児の生命に関わる事態が発生する可能性がある)死亡率を減少させたとされていますが、病院出産より自宅出産のほうが危険であるという実証はされていないのが実情です。自宅分娩は、母子ともに健康であること、逆子や多胎児のリスクがないことが必須条件です。
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