こちらは前ページに続き、「医療介入型」の分娩について説明しましょう。

■帝王切開
子宮を切り、赤ちゃんを取り出す手術です。母体の合併症(内臓の疾患)や感染症、子宮筋腫や卵巣脳腫など母体のリスクが出産に危険を及ぼす、または妊娠の経過で赤ちゃんの成長に問題があると判断された場合の計画的なものと、分娩中に胎児の心音が下がって行われる緊急のものとがあります。通常は、36~37週の検診結果をもとに自然分娩が難しいと判断されると帝王切開が選ばれ、38週ごろに手術が行われます。切開方法は横切開と縦切開の2種類があり、赤ちゃんや胎盤などの位置、合併症や出血の状態によって決められます。麻酔のは脊椎麻酔(腰椎麻酔)という部分麻酔か、硬膜外麻酔といって背中から麻酔薬を入れる細い管を入れて麻酔を行う場合もあります。緊急の場合、たとえば母体の出血が多い場合などは全身麻酔になることもあります。麻酔を打ってから、手術が終わるまでの時間はおよそ10~40分ほどです。


■無痛(麻酔)分娩
麻酔を使って陣痛の痛みをとる出産法です。さまざまな麻酔の種類があり、痛みの感じ方や母親の意識によって麻酔の種類は選ばれます。気をつけなくてはならないのは、麻酔を完全に効かせてしまうと陣痛が起こらなくなってしまうので必要な陣痛は残されること、胎児に麻酔の影響が出ないようにすることです。ですから、麻酔技術に熟練を要しますし、麻酔薬や薬剤の副作用もないとは言いきれませんので、医師とよく相談して納得した上で受けましょう。

□ 硬膜外麻酔:背中から細いチューブを刺し、継続的に麻酔を注入します。背中から腰のあたりにだけきく部分麻酔で、母親の意識ははっきりしています。陣痛の早い段階から麻酔を使う場合と、陣痛がかなり進行して赤ちゃんが生れる少し前から使う場合があり、痛みの感じ方が違うものです。帝王切開にも使用される麻酔法です。

□ 全身麻酔:最初から母親の意識がない状態だと出産過程が停止してしまうので、一番痛みを感じる子宮口が全開になったときに施します(それまでは弱く麻酔を使う)。赤ちゃんが生まれる感覚はわからないので、気づいたらベッドの上という状態です。投薬する麻酔量が多いため、赤ちゃんへの影響がないように気をつけなければなりません。


■ 吸引、鉗子分娩
自然分娩で赤ちゃんがなかなか出てこず、赤ちゃんの状態が悪くなった場合に機具を使ってひっぱり出す処置です。鉗子は金属でできたトングのような器具で赤ちゃんの頭を挟んで外へ引っ張り出します。会陰に負担がかからないようにあらかじめ切開したり、痛み対策のため麻酔が必要になることもあります。赤ちゃんの頭にあざができることがありますが、時間が経つと消えていきます。吸引分娩は、シリコンなどでできた柔らかいカップを赤ちゃんの頭につけ、中の空気を抜いてカップに頭を吸わせた状態で赤ちゃんを外へ引いて出します。これも赤ちゃんの頭に吸い込み口の跡があざのようにつきますが、時間が経てば消えて形もきれいになります。


■誘発分娩
出産日を決めて生みたい場合や、医学上の理由で早めに出産するほうがいいと判断される場合、あらかじめ出産日を設定して陣痛誘発剤や道具を使って子宮口を開き、陣痛を起こさせる分娩方法です。子宮頸管(子宮の出口)が開きやすくなっていること、産む側と医療者双方が同意していることが陣痛誘発を行う条件となります。自然に起こった陣痛と、誘発した陣痛とでは痛みの感覚も異なるという報告もあり、投薬量を間違えた際のリスク(激しい痛みや子宮破裂など)も考慮しなくてはなりません。



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