友人のケースのように、自然分娩を希望していたのに帝王切開になってしまったり、逆に、無痛分娩を希望していたのに実際の分娩は非常に痛くて苦しいものだったり、わが子に会えた喜びはあるものの、どうも出産がいい思い出になっていないというお母さんが多いのも事実です。
じつは、そのようなお母さんたちの多くは、子育てがうまくいかないと悩んだり、それがすすむ育児ノイローゼになってしまったり、わが子を可愛いと思えないなど、さまざまな精神的な苦しみがあるという研究データがあります。
このようなケースがありました。
最初の子供を帝王切開で産んだお母さんは、術後の感染症でずいぶんと苦しみ、抗生物質の影響で母乳もまともにあげることができませんでした。2番目の子供のときは自然分娩で産みたいと希望し、リスク(一度帝王切開をしたら傷があるので次も帝王切開での出産をすすめられる)を承知で挑み、無事に出産しました。カンガルーケアをし、母乳もたっぷり出ました。しかし、お母さんは気づきました。最初の子供より、2番目の子供のほうが可愛いと思ってしまう自分の心に。上の子供はお母さんに愛されようと必死に甘えてきますが、どうしても冷たい態度をとってしまいます。「同じ夫と自分の子供なのになぜだろう」、お母さんは苦しみ、カウンセラーに相談しました。
「お母さんの潜在意識の中には、もしかしたら、上の子のせいで自分は苦しんだのだという恨みのようなものがあるのかもしれませんね。でもね、お母さんが帝王切開をしたときの痛み、苦しみを知っているのは、上の子ですよ。その子はお母さんがその経験をすることを承知で、あなたに嫌われるかもしれないことを承知で、それでもあなたを愛して生まれてきてくれたんですよ。母親になることの本当の意味を教えてくれた上の子は、すごい魂の持ち主ですね」
お母さんはその場で泣きながら、上の子を抱きしめたそうです。
私は幸いにも、幸せなお産ができ、母親としていっぱいの愛で子育てをさせていただいていると思います。
もし、上のお母さんのような思いをされているお母さんがいらしたら、ぜひ、お子さんを思いっきり抱きしめてあげてはいかがでしょうか。
子供とは、自分の肉体を分けた分身であり、親子の間のあらゆる痛みも、苦しみも、すべて分け合える唯一の存在なのですから。
「三つ子の魂百まで」という言葉があるとおり、3歳までの経験は一生残るといわれています。一生幸せな心でいられるよう、愛して、愛して、愛し抜いてあげたいですね。
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