大きな病院は医療施設が整っているため、無痛(麻酔)分娩、帝王切開など医療型の出産に長けています。また、自然分娩を受け入れている病院もあり、いざというときの処置をすばやく施せる利点があります。ほかにも、母体が子宮筋腫や卵巣脳腫などのリスクを抱えている場合、胎児が逆子であったり、多胎児であった場合や、出産の途中で胎児の心音が下がってきた場合、母体が大量出血した場合にもすばやく対応できます。出産時の有事には、助産院や自宅では対応しきれなかったり、病院への搬送までに時間がかかることがあります。
しかし、母子が健康で自然分娩を希望しているにもかかわらず、「母体の安全のために」と称して、医療行為で出産をコントロールする病院が少なくありません。たとえば、陣痛促進剤を注入したり、帝王切開をして病院の勤務人数の多い平日の昼間に生まれるようにするケースはしばしば見られます。これは、産科医が夜中に勤務できないなどの人数不足、保険の点数をかせぐ目的、あるいは、出産時に万が一のことがあった場合の責任問題もあるでしょう。
こんなことがありました。友人は30歳、順調な妊婦生活を送り、一時期、逆子になったこともありましたが臨月に入り正常な位置に戻り、自然分娩を希望していました。都心で通っていた産院のデータを手に、臨月前に実家へ帰り、バースプランを立て、実家のそばの有名な産院へ行きました。その産院は妊婦の希望どおりのバースプランを受け入れることをHPでも紹介していました。よほどのことがない限り、彼女は自然分娩ができると信じていたのです。
しかし、予定日の1週間前、彼女のおなかが一般的な妊婦より少し大きくなり、産院の見立てではこのままでは胎児は3500グラムを超え、胎児の頭の周囲も骨盤の大きさをあと1ミリで超える、もう自然分娩は危険だから帝王切開にします、というものでした。友人はかなりの冊数の自然分娩の本を読み込み勉強していたので、胎児の頭が骨盤より大きくなっても陣痛で骨盤が広がるので問題ないこと、たとえ3500グラムを超えても自然分娩で産める自信があることを医師に伝えました。都内の産院の骨盤検診でも「4000グラムでも産める立派な骨盤ですよ!」と太鼓判を押されていたのです。友人は毎日3キロを歩き、ヨガや水泳、子宮口をやわらかくするアロママッサージなどをして身体づくりをしてきました。しかし医師は、「何かが起こってからでは責任はとれない」と彼女を説得し続けて、最後は「そんなに自然に産むと言い張るなら、『何が起こってもこの病院は一切の責任は負わない』とう誓約書を書け」と紙一面にびっしりと文面の書かれたものを出してきたというのです。
彼女はショックを受け、医師は彼女の家族を呼び手術をすすめ、彼女は泣く泣く帝王切開を受けたのです。結果、生まれてきた赤ちゃんは2670グラム。医師の説明は「胎盤が通常の人より大きかったからおなかが大きくなり、我々は赤ちゃんが大きくなったと判断した」というものでした。
長くなりましたが、バースプランを立てて産院がそれを受け入れても、最後にひっくり返される場合があるということです。病院の評判を調べ、信頼に値する医師かどうか、しっかりと見極めることが大切になります。
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